ジャズやボサノヴァはヨーグルトのフタの裏についたヨーグルトだ。
皆さんはジャズが好きだろうか。
僕は好きか嫌いか訊かれたら思わず閉口してしまう。ジャズにも様々な種類があるらしく、色々聴いてみたのだがイマイチハマらない。普段ロックばかり聴いてる人間には退屈に聴こえてしまうのだろうか。
しかし、そんな僕でもジャズに心酔する瞬間がある。それはロックソングの一部に登場する時だ。この時ばかりは胸が躍る。例えば、夜咄ディセイブという曲は1:56~から急にジャジーな雰囲気になる。
また、Eric.Wという曲も3:11~から分かりづらいがボサノヴァ風に変化する。
このようにロックの一部に取り入れられたジャズ・ボサノヴァはとても聴きやすいが、単体になってしまうとどうも好きになれない。
僕にとってこれはヨーグルトのフタの裏についたヨーグルトと同じだと思う。
下品なので人前だと控えるが、恥ずかしいことに僕はヨーグルトのフタの裏を舐めるのが好きだ。さくらももこに至っては本体よりもそっちの方が好きだと公言している。あとケーキに巻いてあるセハロンについた生クリームも舐めるのが好きだ。多分舐めるのが好きな人は僕だけではないはずだし、少なくとも僕の周りはみんなそうだった。
しかし、それが単体になってしまうと急に魅力がなくなってしまう。誰だってヨーグルトのフタやケーキのセロハンを何十枚もプレゼントされても嬉しくないだろう。これはあくまで本体とセットになっていて、オマケ的なものになっているから良いのだ。言い換えれば、これらが僕にとってのジャズやボサノヴァで本体がロックである。
他にも例えるなら、アイスクリームのコーンの一番下の異様に甘い部分とか、ビビンバのおこげとか魚の皮もそうだ。本体とセットで初めて新たな価値が生まれるのだ。
こんなことを書いているとジャズやボサノヴァを愛聴している人達に怒られてしまいそうだが、僕はどうしても単体だと退屈でつまらなく感じてしまうのが否めない。
これから音楽の嗜好の幅が広がって、単体でも楽しめるような少しばかり趣のある人間になれたらいいな、と思う。