ラーメン屋に行った話

昼過ぎに起きたら、なんとなくラーメンが食べたくなったのでラーメン屋に行くことにした。いつも食べてるラーメン屋は休業していたので、普段行かないところに行くことにした。

ネットで近在の営業中の店を調べたら幾つか見つかったので、一番近いところに決めた。分かりやすい場所にあった上、自転車で15分の距離だったから何の造作もなく着くことが出来た。

店に入ると客は一人もいなくて、ラジオから流れるディスクジョッキーの空疎な声だけが寂寥とした店の空気を埋めていた。あまり隆盛しているようには見えず、店主は所在無げにキッチンを眺めていた。

メニュー表を見てみたらとんこつラーメンがなかった。今日はとんこつラーメンが食べたい気分だったのだ。メニュー表の端の方にマーボーが書かれていて、それを見たら急に食べたくなってきたのでマーボー味を注文することにした。

5分くらい経つと、店主が注文した品を持ってきた。丼の上一面にマーボー豆腐が乗っかっていた。さあ、食べようと箸を突っ込むと何かがおかしい。

あれ、麺がない。

麺の代わりに丼に入っていたのは白米だった。メニュー表を見返したら「マーボー丼」と書いてあった。なんだラーメンじゃねえじゃん、ぶん殴るぞ。何やってんだ俺。

それもマーボー丼が絶望的に不味かった。まず味がしない。一応味がないことはないのだが、あの豆腐じゃない汁の部分がにがりみたいな味がした。そして豆腐も箸で掴んだだけで呆気なく崩れてしまい、食べるのに大変苦労した。さらに大盛で頼んでいたのでバカみたいに量が多かった。

結局完食はしたのだが、もはや苦行だった。850円無駄にした。

店を出るときに会計の女の人の愛想がめちゃくちゃ良くて、なんか複雑な気持ちになった。

 

 

なんだ、この記事